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―人を助けるには強さが必要という事ですね?
TOKI:
いや、別に(笑)さっきも言ったじゃないの!そういうのはワンセット、したい人だけすればいいだけの事だよ。家を建てるのなら家が雨に濡れる事は避けられないし、人が住めるだけの強度は必要でしょ?そんなようなものですよ。「当たり前のモノが当たり前に必要だ」ってだけです。あとさ、「助けた」なんて大層な事は思ってないですよ?ちょっと困った事があった。それを何とかするアイデアがあった。ただ、それだけですよ。あんまり難しく考えない事です。しぜ〜んに、しぜ〜んに(笑)あの、「リアルさ」に話を戻していい?
―すいません(笑)どうぞ!
TOKI:
そのさ「リアル」っていうモノも記憶から流れゆくものじゃないですか。人間ってのは良かれ悪かれそういう風な記憶構造で出来ていると思うんです。先ほど「後世に残すべく」とは言ったけれども、それは自分の俗な願望ではなく「そういう気持ちや矜持を持った生き方は、きっとアナタ自身をも幸せにする大きな要因となる」って事が言いたいんですよね。つまり「アナタ自身の為に残して欲しい」という事なんです。人の優しさというものに対するリアルな姿、即ち「二歩先の視点」とか「清濁併せ呑む」とか、目先だけじゃ成り立たない、綺麗事だけじゃ成り立たない、そういう葛藤の先にこそ尊いものがあるんだ的な。STEALTHという集合体も「まさにソレ」なんで、そういったリアルさを体感してもらう一翼を担えればって事なんですよ。
―…深いですね。
TOKI:
「優しくされたい」「愛されたい」と望むなら、まず自分が人に優しくしないと話のロジックがおかしくなるじゃないですか。「自分はして欲しいけど自分はしない」ってな感じだと、自分と寸分違わぬ価値観を持つ人間が二人いたとしても、目の前の「優しくして欲しい」と願う自分にさえ優しくはしてあげられないって事でしょ?
―ええ、仰るとおりです。
TOKI:
ん?なんか私の悪い癖が出てきたかな?(笑)こう、何でもかんでも掘り下げすぎて、こんがらがってくるという(笑)
―いえいえ!そんな事は無いんですけど、そういう事はどこかで勉強とかされたんですか?実は前々から思っていたんですけど。
TOKI:
え?勉強って?学校とかで?
―はい。
TOKI:
してる訳ないじゃないですか(笑)
―TOKIさんのTwitterとかもフォローさせて頂いてますけど、すごく深い言葉をTweetなさる時があるじゃないですか?
TOKI:
あぁ、坊さんTweetね(笑)
―ああいった言葉も全て自己流なんですか?
TOKI:
そうですよ、って言うか、昔からこんなんじゃないんですよ。…う〜ん、やっぱり交通事故に遭ってからじゃないですか?その頃から付き合いのある友人には言われますよね「お前は本当に事故から変わった」って。
―[-sickbed-]ですね(※STEALTH 1st Album「アルストロメリア」に収録されている楽曲)
TOKI:
そうですね。あの時はとにかく2年間も寝たきりだったんで、考える時間が滅茶苦茶ありましたからね(笑)しかも死ぬかもしれないっつー葛藤と、途方も無い憎悪の中だったんだけれども、そんな負の感情は身体に良くないから必死で何とか整理しなきゃいけなかった。何と言うか、「真剣」になれてたんでしょうね。「考えなきゃ本当に死ぬ」ってくらいでしたからね。真剣にならざるを得なかったとでも言うか。本当に真剣という境地に至ってたと言うか。あそこの領域に手を突っ込んじゃったから、こんな面倒くさい人間になっちゃったんですかね(笑)
―TOKIさんのTweetって本当に目から鱗が落ちる時ありますよ。
TOKI:
そうですか?いやいや、でも、あの時は「自分を幸せにしてやりたかった」っていう思いが根幹でしたからね。結果、あそこで運命にブッ叩かれたからこそ幸せってものを感じれるようになったし、何と言うか、その方法も何となく分かるようになったと言うか。応援してくれる方で私なんかに迷いや悩みを明かしてくれる人がいるんですよ。その時に、何と言うか…「分かんない」とかじゃなくて、自分なりにちゃんと答えられるんですよ。「それは、こうすれば良いんじゃないかな?」みたいなね。そういう時に、僭越ながら「それなりに私も色々な事を経験してきたんだな〜」とか思うんです。で、それが誰かの多少なりともの支えになったりする。でもこれは私に限らず皆さんに言える事でね。皆さんの経験、特に辛い感じの事は"そういう力を秘めてる"という事を改めて知って欲しかったんです。これも「二歩先の視点」に通じる事ですね。
―TOKIさん流の人間学ですね。
TOKI:
いやいや、そんなに大層なモノじゃないけど(笑)辛いと嘆く事は目の前の感情でしかない。でも二歩先の視点で捉えれば、それは誰かの支えになれる力を持っているっていう事が分かる。福祉もそう。誰かに優しさを分けてあげるという事は、誰かに優しくしてもらえる可能性を生み出す大きな要因となる、みたいな。それこそ売名行為と呼ぶ人も、ちょっと考えれば、文字通り「名前を売りたい」なんて思ってるだけの男にTAKUROやHISASHI、K-A-Zやらの海千山千を乗り越えた男達が協力なんかする訳ないじゃないですか。それを言うって事は参加メンバーの眼力や人間性まで否定する事になっちゃうんですよ。そこまで頭が回って喋ってるとは思えないけどね(笑)私にとってのSTEALTHとはね、先ほども触れたけど、音楽の多様性という面においてのモデルケースとして在る。誰も困らずして親の愛に逸れた子供達の笑顔に繋げられたじゃないですか?支援においてもそうだった。ならば復興においても、不況に対しても、そういう事が可能ではないか?という考えに繋がるかもしれないじゃないですか?
―すごく深く考えてらっしゃるんですね。頭が下がります。
TOKI:
でもね、こういう小難しいのは根っこにだけあればいいと思うんです。イヤですよ、年がら年中こんな眉間にシワ寄せて真剣な話しかしないのは。メンドくさい(笑)いつだってユーモアを忘れたくないし、本能的に楽しみっていう部分も凄く大事にしたいです。公のところではアレだけど、プライベートのところでは結構やったりしてるんです。この前もJIROとHISASHIとTAKURO、ドラムも永井さんでNIRVANAのカバーとかやったんですよ。要は私以外がGLAYって事なんですけど、歌いながら(公にやったら武道館とか楽勝なんだろうな〜)とか思ってましたね(笑)でもまともに見てくれてたのはウチのヒロくん(C4マネージャー:中島博吉氏)くらいで、ステージの前には酔っ払ったテッコ(GLAY:TERU氏)と、テッコの親父くらいしかいない、とか(笑)K-A-Zにしても、この前ライヴを見に行ったんですけどノリが凄いんですよ。ただ見に来たアーティストとかにイキナリ「ちょっと出て弾いてよ〜」とか言うんですよ。この前の生贄は人時くんだった(黒夢:人時氏)終演後に「ねぇねぇ、TOKIくんって洋楽だとどんなの歌えますか〜?」とか聞いてきたから、私も遠からず生贄となるでしょう(笑)永井TOSHIさんとも函館のBarで二人でやって、聞いてくれてたのは酔っ払いのサラリーマンしかいなかった。しかも多分、寝てた。あ!それは前にブログに書いたかな?まぁ、そんなのばっかなんですけど(笑)そういうのの「公版」みたいなノリの方が好きだったりしますしね。とにかく1月16日は楽しく、楽しく、やりたいです。
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