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第79回

「ねぇ、今度さ、職場の男の子二人と私と女の子一人で海に行って良い?」
「あとさ!今度さ、職場の男の子と二人で飲みに行って来て良い?」

静江の常識外れの言葉にTOKIは困惑した。

矢継ぎ早に繰り出される静江の言葉にTOKIは

「え?何言ってるの?男と二人で飲みに行って来てイイっていう質問にOKを出す彼氏なんていないでしょ?」
「え?ダメなの?」
「当たり前じゃないか!あと、その海に行くっていうのも男二人、女二人って事でしょ?ダメに決まってるじゃないか!」

(一体全体、何を言ってるんだ?)
多分、職場の同僚と意気投合し、遊びに行きたいのだろう。
この頃の静江は水を得た魚のように表情が生き生きしていた。

いや、生き生きしているというよりかは、どこかギラついてきたという方が正解かもしれない。
今まで、ほとんどノーメイクに近かった静江が、最近かなり濃い目のメイクをするようになり、服も良い意味でシンプルな服装を好んでいたのに、今ではとても派手な服を着るようになっていた。

「ねぇ、静江ちゃん?最近思うんだけど、服とかスゴく買ってるように見えるんだけど?」
「うん!買ってるよ!でもまだまだ欲しいのがイッパイあるんだ」
「いや、買うのはイイんだけど、ちょっと買い過ぎじゃないの?」
「え?私のお金で私が何を買おうが勝手じゃない?」
「?!いや、まぁ、そうだけどさ、何か最近変わったね」
「もう今までの自分が何かバカバカしくって、面白い事いっぱいあるんだよ!ねぇ、今度一緒に行こうよ!」
「ん?う、うん」

自分は静江の楽しみに割いてあげられる時間が無い。

それが負い目となって、TOKIは歯痒く思った事も、なかなか言い出せなかった。
しかし、それが仇となって、静江の行動は、どんどんエスカレートしていった。

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