いよいよ間近に迫った「アルストロメリア」の発売を控えたSTEALTH。
全ての思いを総括して、ここに至るまでの知られざるTOKIの胸中を激白。葛藤と苦悩に立ち向かわなければ達成できなかった全てが明かされる。Webインタビューラストです!





------お疲れ様でした!振り返ってみて具体的にどのような事がありました?


TOKI:


まぁ、一言で言うと51対49とかの「どうすんだ?」的な厳しい選択がとにかく多かった事だね。う〜ん、時系列に沿って思い出すと、まず最初の最初はSTEALTHという選択を発表した事に対して「え〜?」って言う人が若干いた事かな。無論、頑張って!って言う方の方が圧倒的だったけれども。物事の選択っていうのはメリット100、デメリット0なら迷わないのは当たり前として、それが90対10、もうそれこそ70対30とかでも、あんまり迷う事は無いけれど、51対49の選択っていうのは、なかなか決断できないじゃない?C4が止まったあの(さぁ、これからどうしよう?)から始まって、STEALTHが始まったら始まったで色々言う人が出てくる。そんな極少数の中の殆どは、ちゃんと私がインタビューで言った文章を理解してもらえてなかったかな?でも、その事に囚われて足を止める訳には行かなかったし、何より自分達が選んだ事を信じてやりたかった。何事に対しても100%満場一致ってのは幻想である訳だからさ。でも結果的には、あの状況下でこれだけの軌跡を残す事になった訳だからね。まぁもう、その辺の感情は「激情」の歌詩に叩きつけてますね。



------「何もしない事が過ちという事なら、誰よりも今までの経験で知っているのだから」の部分ですね。


TOKI:


そうそう。私は立場上、状況とか今後の事とか全体の流れを見て判断しなければいけない訳じゃない?それが出来なきゃリーダーを任せてもらえないしね。もうね、何もかもを詳らかに公にする事が出来れば物理的なロジックで絶対に理解を得られると思うけど、それは出来ない中で動くしかなかった事がチョット辛かったかな。さっきの難しい選択で言うところのデメリット・・・っていうか「ただ単に自分が嫌」っていう部分なのかもしれないけどさ、そういう人はメリットの方は見てくれないんだよね(笑)でもまぁ、そういう事に挫けてる事でさえも許されない状況だったからね。あとは・・・



------あとは?


TOKI:


やっぱりSTEALTHがもたらした事なんだけど、これが以前に言ってた「いずれ明かす」と言っていた部分の核心になるんだけどさ。どんな商業でも訴求が見込める層ってのがあるじゃない?例えば、80代とかの年配の方にスラッシュメタルのCDを聴かせても反響は得られないだろう、とかさ(笑)まぁ、それは極端だとしても、STEALTHでのリザルトを求めるなら、どういう風に?っていう点で誰が見てもパッと思いつくのはC4を応援してくれている方々になるんですよ。STEALTHは私が中心となって、作詩も全部手掛けてて、そして何よりメンバーが全員参加してる訳だからさ。簡単に言うとSTEALTHのCDを買ってくれそうなのはC4のCDを買っていた方達だろうっていう事ね。でも、4人で100%のC4が現況では75%であるとするならば、そのマイナスは懸念しなきゃいけない。でも、それでも何でもやんなきゃ!って時に、たまたまなんだけどGLAYの三郷のライヴレポをブログに書いたのよ。その時の反応が、とにかく凄くてね。その話をミーティング時に笑い話としてTAKUROに話した時にさ、話が進んでいく中で、TAKUROがドコの馬の骨とも分からない人に曲を書いたって、それが即、GLAYの音源を買っている人の購買に繋がる事は難しい。やっぱりGLAYユーザーにTOKIさんの存在の認知度を上げるのが現状では最も効果が見込めるんじゃない?みたいな話になったのよ。



------はい。私もそう思います。


TOKI:


でもね、それをやったらGLAYが大きな市場を持っているとはいえ、C4を応援してくれている方々には「媚びやがって」的な風に思う人も出てくると思ったの。私の人間性を信じてくれている方なら、私がそんな尻の軽い事をする人間でない事は分かってもらえるとは思ってたんだけどさ。だってSTEALTHにせよC4にせよ、超大手のレコード会社のオファーも躊躇なく蹴ってんだよ?名声を求めてたり、大きなモノには媚びるような人間だったら、そんな事しないでしょ(笑)そういう事も公言してる訳だからさ、きっと分かってくれているだろう、と思ってても、まぁ、現実的には水面下で波紋を呼ぶ事は想定に入れておかなきゃな、とは感じてたね(苦笑)やっぱり外界に見えるのは表面だけだし。でも、何だかんだ言っても結局は信じようと思った。絶対に「TOKIさんの事だから何か考えがあるんだろう」って信じていてくれるだろうって思った。そう信じ込まなきゃ動けなかったしさ。そもそも先日公開された幻冬舎のWEBインタビューでも言ってたけど、これだけのメンバーを集めて郊外の施設のベッドすら買う事が出来なかった、なんて結果に終わったら、それこそC4に戻る時が来たとしても再起不能になるくらい自信喪失する事も目に見えてたんだよ。



------後編の方のインタビューで仰ってましたね。


TOKI:


そういう状況でC4は完全な状態じゃない。あとこれも幻冬舎のインタビューで言ったけど、昨年の[-Crusaded4-]のリリース時より、市場でのCDの販売数が2割近くも落ち込んでいる。こんな状況下で結果を出さなければならない。とにかく結果を出さなければ強烈な自己嫌悪は必至。友愛学園の職員の方達や子供達に合わせる顔も無い。



------C4のファンの反応はどうだったんですか?


TOKI:


mixiとかのメッセで単純に「どうしてああいったアクションを起こしているんですか?」って、私の事は信じてくれているだけに不思議だったっていうメッセは多かったね。男からのメッセは「何があってもTOKIさんを信じてますから」的なのが多かった(笑)何があってもみんなを裏切る事は自分を裏切るのと同義に捉えているから絶対しないけど、STEALTHの結果を求めると、私を表面だけで捉えてる人には不快感を招くかもしれないような事をしなければならなかった。まさに51対49の選択でしたね。



------損な役回りですね


TOKI:


私はどう思われたってイイんですよ。他のメンバーにそんな事はさせたくないし、昔っから、そういうのは慣れっこですから(笑)でも、それの効果か、やっぱりSTEALTHから興味を持ってくれた人と、ずっと応援してくれている人との勢いというか温度差というか。ぶっちゃけて言うと「新たな方達に押されてます!」なんていうのも多かったかな(笑)


------うわ〜頑張って欲しいですね(笑)


TOKI:


も〜是非ね!(笑)GLAYのメンバーとは人生の半分付き合ってるし、音楽というフィールドさえも飛び越えた唯一の存在ですから。
本っ当にず〜〜っと変わらずに一緒にいるからね。だから前に散々ブログで書いたような面白エピソードも、とにかくアイツらと遊んでばっかだったから、アイツらの事しか思い浮かばないんだよね(笑)まぁまぁ、とか何とか言いながらも複雑な思いもありながら書いてて単純に面白かった部分もある(笑)もう、ただ、あまりにもGLAYっていうバンドが大き過ぎるんですよね。だから色々な面で反応も大きいんだと思う。でも、ここからが大事なんだけど、C4を進化させ、再起動させる為には、ただギターが見つかるまで、いつまでかかるか分からない地下活動をするか、STEALTHをやって、その活動期間内にC4をギターを見つけて、クロスフェードでC4の再開に賭けるか?どっちが良いのかは、それこそ「激情」の歌詩に綴った通りですよ。「納得できる仕事が見つかるまでプー太郎すんのか、とりあえず仕事はしながら納得できる仕事を模索するのか」この選択と同義ですよ。いや、無論、STEALTHはそんなベクトルの事じゃない。納得できる場所を創れるまで、20年来の親友が手を貸してくれて、私の夢に多大なる力を貸してくれた。そういう人間関係を穿った目で捉えて否定するような人は、そもそもC4の曲でさえも響かないと思う。



------TAKUROさんが今回のSTEALTHはひとえにTOKIさんの人柄の賜物って仰ってたじゃないですか?私も全くその通りだと思います。


TOKI:


それは褒め過ぎです。TAKUROをはじめ、参加メンバーの尽力無しではここまで来れなかった事は明確ですから。まぁ、私は求め過ぎちゃってるのかもしれないね。あと縁とかもかな。どんな理由があるにせよ、自分達がどんなに誠意を尽くしても感じない人は何も感じないし、離れちゃう人は離れちゃうじゃないですか?下手なライヴを一発やっちゃったら、それでアウトっていうシビアな世界だからね。



------う〜ん・・・そうですね。


TOKI:


まぁ、なんだか難しくなってきちゃってるんで簡単に言うとね(笑)「アルストロメリア」の結果を気にしてくれて応援してくれている人がいる。STEALTHからC4を知って応援してくれようとしてくれる人もいる、STEALTHではなくてC4だけしか受け容れられない人もいる、細かい事は関係ネェ!とにかくC4もSTEALTHも応援する!っていう人もいる(笑)でも、そんな様々な誰もがアルストロメリアの結果に、STEALTHの先に「人生を賭けてる!」なんて人はいないじゃないですか?まぁ、当たり前だけど(笑)それは俺達だけなんだよね。STEALTHの参加メンバーで「アルストロメリア」の結果が大きく今後の音楽人生を左右するだろうっていうのは、中心核でありながらも母体がしっかりしていないC4のメンバーだけだと思うのよ。まとめると「C4の今後に作用するであろうって事に対しての、C4で選んだ事は、なるべく信じてくれないか?」って事です。直情で上辺だけを拾って揶揄されても、そんな事は当然の如く分かってて、それの2歩も3歩も先の事を考えなきゃならない。社会的な通念で言うと否定するなら代案を出せって事ですよ。俺達ほどC4を真剣に取り組まなきゃならない立場の人はいないんだからさ。



------C4でもSTEALTHでも、今までのTOKIさんが仰ってきた言葉にはブレが無いと思うし、ファンの方々もそれはわかってくれていると思いますよ?


TOKI:


まぁ音楽というものを、もっともっと浅く軽く考える要素もあった方が良いと思うんだけど、ただの一過性の娯楽みたいに音楽を捉えられないんだよね。自分的に再び歌う可能性は0%だったのにC4を始めたキッカケのせいか、どうしても絆めいたモノを求めちゃってるのかもしれない。何千人の人との会話は物理的に難しいから、それを曲に、歌詩に込める。対話の言葉の代わりとして最も誠実な自分の過去や告白や主張だけで紡ぐ。アルストロメリアも、その辺の事は何ら変わりないですからね。



------あ!アルストロメリアを聴かせて頂きました。


TOKI:


どうでした?



------TOKIさんがブログかTwitterで「ボリューム感がハンパない。これこそアルバムの醍醐味」みたいな事を仰ってたじゃないですか?全くその通りなんですけど、曲の収録順に凄く緩急がついてるじゃないですか?あれはどなたが決めたんですか?


TOKI:


私ですね。というか、TAKUROにも意見を求めたんですけど「考える!」って言ってから、ず〜っと音沙汰無しのまま期日が来ちゃって(笑)結果的に「TOKIさんに任せた!」「おぉ!任された!」ってな感じでしたね(笑)


------お二人ならではな逸話ですね(笑)


TOKI:


その辺の事もブログで詳しく書いちゃうと新たな伝説爆弾になりかねないですけどね(笑)



------あとAlstromeriaをyoutubeに流されたじゃないですか?あれはどういう経緯で?


TOKI:


まぁ、ぶっちゃけ宣伝費が1円もないってのがキッカケなんだけど(笑)先に[-sickbed-]でやったじゃない?アレの効果がコチラの想像を超えていたっていうのもある。まぁでも根幹にあるのは、やっぱり自分の中で今回の一連のSTEALTHの思いは[-Alstromeria-]に集約させているって言う部分があってね。それをアルバムの宣伝も兼ねて聴いてもらいたかったってのがあるかな?これは初めて言うけど、実は24日に発売されるアルバム「アルストロメリア」はさ、これまた私が畏敬の念を抱いているマザーテレサが、かつて実際にやった事がヒントになったのよ。



------え?初耳です


TOKI:


だから初めて言うって言ったじゃない(笑)うんとね、1964年だったかな?マザーが当時のローマ法王のパウロ六世が自分の儀礼用に使用してたリンカーンコンチネンタルっていう車をマザーに贈ったの。ちなみにこの車の当時の価格が300万円。1966年の日本の大卒初任給が2万円くらいの時代だから今の貨幣価値で言うと2〜3千万もする超高級車だったんだよ。「マザーは飾らない人」って誰もが知ってたから、パッと売っちゃって施設の為とか活動の為とかの資金にするのかと周りのシスターの誰もが思ってたんだけど、マザーは頭が良くてね。その車を賞品にして宝クジを作ったんだよ。で、結果的に1500万円、今の貨幣価値で言うと軽く1億円以上集まって診療所を建てた、って話があってね。肝心なのは、ここからだよ?その宝クジを買った誰もが「マザーの施設や活動に協力出来て、更に超高級車が手に入るかもしれないっていう夢がある」って言ってね、みんなが喜んで宝クジを買ったんだってさ。



------素晴らしい宝クジですね


TOKI:


それなんだよ!私がこのアルバムに込めたものは。STEALTHが頑張った事によって、みんながアルストロメリアを喜んでくれて、それが施設の子供達の為になる。言い換えればアルストロメリアを買って聴いてくれるだけで子供達に貢献できる。普通ならチャリティーと言えば募金だと思うけど、お金を出して良心が温かくなる、これだけでも尊い事なんだけど、私はこのマザーの逸話を知って、お金を出してくれる人達に、もっと更なる喜びをあげたかったんだ。まぁ、マザーの受け売りだけど(笑)これって素晴らしいシステムだと思わない?



------何て言うか・・・すいません、言葉になりません。


TOKI:


ちょっと考えるだけで、人間ってのはこんな事が出来るんだって事を知ってもらいたかっただけなのかもしれない。そして、それは今回の俺とかTAKUROとかだけじゃなくて、これを読んでいる人達も同じ。「自分を幸せにする為に」って[-Alstromeria-]の歌詩にも書いているけど、自分を幸せにする為に必要な事、それは、いつもより、もうちょっとだけ我慢をする事なのかもね。その分、人を幸せにしてあげよう、っていう気持ちが人の笑顔に繋がり、そんな事を繰り返してたら、いつの間にか自分は周りの人達に笑顔で囲まれている、つまり自分も幸せになるんじゃないかな?って思うんだ。